記憶がない
地獄を味わった私はその付近の記憶がない。
付き合う前から彼女がいたという記憶以外が…
いっそのことその記憶もなくなってほしかった。だが、それは不可能で今でも3ヶ月に一回くらいのペースであの時の彼氏の表情と言葉が蘇る。
それでも私は彼氏を追い続けていた。好きとかそーゆー感情ではない。シングルになりたくない、その一心で。彼氏のお母様を見てシングルマザーへ偏見を持ってしまった私は自分も一緒になりたくないと強く思った。
あとは自分のプライドのため。本命の彼女じゃないとか、捨てられてシングルやってるとか周りに言えない、恥ずかしい、みっともないと思った私はどうしてもこの人と結婚することに拘っていた。
あとやっぱり好きだった。どんなにひどいことされてひどいこと言われても写真を見返したりするとその時幸せだった感情が込み上げてくる。
私は自分の色々な感情と葛藤しながら彼氏に一緒になりたいということを言い続けていた。好きなのか見栄の為なのかわからないまま……
つづく。